夢のように蝶、花に恋する

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空気よりも軽いのではないか、蝶。広げる羽の立てる音、花びらに止まる音、確かに発せられるものではあるだろうけれども、それまた考えられないほどに、数万キロ彼方の爆音のように遠く、届かない世界のもののよう。そこで進行していることに気づく人もまた皆無。神でさえご存じないことだろうな。赤い思いの炎など、どこにも見えないものだしね。そもそもそのような思いがあるのかどうかも夢の世界のことのように、地の果ての彼方ほどに見えることがない。                                           なんてことを思うのは、あなただけかもね。その花や蝶のはるか下の方で、天上世界を見上げるみたいに様子をうかがっている永遠のような暇時間を過ごす名のない生きもの。その眼。みんなわれらの知らない、別次元の世界のお話ということになるんだろうな。

                                           

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恋人同士? と聞いてくる

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同じ光景を見ても、思うこと、感じることは、おそらくみんなそれぞれ。口にしなければ、その中身も分からないというところだろうが、例えばの話、時たま通るこの橋の上。二羽の鳥が見える。いつもそこに見ている。ある感想を抱くことはある。その時の心の向きによっては。                                                          でもたまたまあるひとと、そこを一緒に通った時に聞かれたようなことは、思ったこともなかったな。「あの向き合っている二羽は、恋人同士?」などと言うんだから。あとになって、ふいと思い至ったんだけれども、そうした思いをもって見たということは、おそらく彼女、誰かといま、恋をしているからなんだろうな。

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